インカレバスケ女子2020感想;「勝者の遺伝子」を継承した東京医療保健大学が4連覇を達成!!

日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)が閉幕。

 

4連覇

女子では、東京医療保健大学(THCU)が4連覇を達成し、今季の大学バスケシーズンの有終の美を飾りました。
昨季までの3連覇で主軸を担ってきた、4年生スターターカルテット、永田萌絵(現トヨタ自動車アンテロープス)、藤本愛妃(現富士通レッドウェーブ)、岡田英里(現富士通レッドウェーブ)、平末明日香(現トヨタ紡織サンシャインラビッツ)が卒業し、新しい顔ぶれとなった今季、弱体化してしまうことだってあり得たと思いますが、ふたを開けてみると、「勝者の遺伝子」がしっかりと受け継がれて、見事にV4を達成しました。
本当に見事でした。
大会全体で、準優勝の白鴎大学も含めたこの2チームは段違いの強さだったなという印象。
画面を通して観ている限り、プレイのインテンシティ/強度が、特にディフェンスにおいて、この2チームともに強烈で、しかも、試合を通して落ちない。
その中で、THCUの方が、選手交代をより頻繁に行い、出場選手全員でタイムシェアしながら闘うスタイルであるため、よりフレッシュな状態を保つことが出来て、その分白鴎を上回ったのかなと。
THCUは初戦の相手である広島大学が棄権して不戦勝になり、試合数が少なくなった分、大会終盤での疲労の蓄積がより少なかったということもあるかもしれません。
秋のリーグ戦では白鴎が90-89で勝っているこのカード。
今回のような、短い期間の中で、ほぼ毎日試合を行う形式での対戦では、よりタイムシェアを行うチームの方がロードマネジメント的に有利で、それが結果にも反映されたと言えるかもしれません。
秋に敗れたことで、インカレでの雪辱を果たしたいTHCUと、スターター5人全員が4年生で、入学以来、後塵を拝しつづけてきた相手を倒してのインカレ優勝を成し遂げたかった白鴎大による、非常に見ごたえのある試合でした。
個人的には、THCUの2年生、ジョシュアンフォノボ テミトペ選手の成長が大きな要素になったのかなと思いました。 1年生だった昨年は、まだ若干の頼りなさがあった印象ですが、今年は力強さ、頼もしさが感じられ、決勝では、試合始まってすぐに連続でFGを決め、それでチームとしても試合全体のリズム、ペースが掴めたのではないかなと。
画面を通しても、昨年に比べて、自信を持ってプレイしているように見えました。
また、大会最優秀選手賞に輝いた赤木里帆選手も、スキルの高さはもちろんですが、それ以上に、アグレッシブに攻めていく姿勢が非常に目を惹きました。
アグレッシブなその姿勢で、チームのトーンをセットしていました。納得のMVP選出です。
黄金世代が抜けた後でも、「勝者の遺伝子」を引き継ぎ、下級生だったメンバーが心身ともにしっかりと成長を遂げて、再び強いチームを作る。
今年ローテーションを務めた選手たちが来年も多く残りますし、「5連覇」も十分に達成可能な、現実的な目標と言えそうです。 
 
 

印象に残った選手

片山菜々(福岡大学4年)
福岡大学は8年ぶりのインカレ出場ということで、大学バスケというと、強豪ひしめく関東リーグにばかり注目してしまいがちですが、全国にはまだまだこんな凄い選手がいたんですね、と。

独特のリズムのドリブルから、ドライブ、パス、シュート、何でもアリの選手。
アレン・アイバーソンとか田臥勇太とかリアンドロ・バルボサとかジャマール・クロフォードとかを彷彿とさせます。
同じく長崎出身の永田萌絵にもなんか似てます。
惜しくも2回戦の日本女子体育大学戦で敗れてしまいましたが、願わくば勝ち上がって、白鴎大学と闘ってるのを観てみたかった。関東の強豪相手にどれだけやれるのか、観てみたかったです。

 
吉田舞衣(拓殖大学4年)
前にディフェンスがいても関係なく打てる、高精度なスリーポイント で得点を量産。
かなり遠目の位置からでも躊躇なく打ってきます。
モーションが速くてコンパクトで予備動作もほぼないようなフォームなので、マッチアップは気が抜けなくて嫌だろうなぁーと。
 
 
安江沙碧梨(日本体育大学2年)&小野寺佑奈1年(日本体育大学1年)
日体大の2番3番ポジションコンビ。
二人ともサウスポーで、かつ、巧みなドリブルワークから自らシュートをクリエイトできるタイプ。
観ていて、ヒューストン・ロケッツのスティーブ・フランシスとカティーノ・モーブリーのコンビを思い出しました。
二人して自由自在にやる感じが。
まだ2年生と1年生ということで、おそらく彼女たちを主軸としてやっていく今後数年間の日体大、おもしろそうです。
 
 
樺島ほたる(筑波大3年)
小柄ながら豊富な運動量と巧みなハンドリングを武器に強気で攻めて、チームオフェンスを牽引するガード、ということで、同じ筑波大の2年生池田沙紀選手や、白鴎大の4年生の神埼璃生選手や今村優花選手と似たタイプかなと。
他の3選手がある程度以上やれるのはわかっていたので、インパクト賞的な意味合いも含めて樺島選手を挙げてみました。
彼女が先発PGを務めることで、池田選手をカンフル剤的な6thマンとして使えるのも大きかったです。
二人の来年のチームでの起用法も気になりますし、森岡奈菜未選手や田中万衣羽選手といった、1年生ながら主軸を担った選手たちのさらなる成長も期待でき、筑波大も来年以降がまた楽しみなチームです。
 
 
取り敢えず今回はここまで。
お読みありがとうございましたm(__)m
 
 
それではまた(^o^)/